植毛手術を受ける時ですが、毛を採取する部位に関しては一般的には刈り上げなければなりません。
刈り上げることによって髪の毛を採取しやすくしているわけです。
しかし現在ではいくつかの植毛クリニックが刈り上げを行わない自毛植毛手術を行っています。要は髪の毛が長いままでも植毛が行えるようになったのです。植毛前に後頭部や側頭部を短髪にしなくても大丈夫です。
今回は最新式自毛植毛である「後頭部や側頭部を刈り上げない方法」について徹底解説します。まずは刈り上げないメリットとデメリットを明らかにし、実際にどこのクリニックで実施しているのかもお伝えします。
通常、植毛手術をする場合、後頭部からドナーを採取するために刈り上げをする必要があります。しかし、技術の進歩により刈り上げない植毛手術をするクリニックも出てきました。この借り上げをしない植毛の何がいいのか、4つのポイントで説明します。
いままでの刈り上げるタイプの一般的な植毛ですが、植毛前と後で髪型に変化が生じてしまうのです。薄毛で悩んでいる方は、一般的に髪の毛を伸ばしがちです。髪の毛を伸ばして薄毛の部分をカバーしようとしますよね。
しかし植毛を受ける時は側頭部や後頭部などの毛の採取部を刈り上げるので、髪型が大きく変化します。周りにその変化で違和感を持たれてしまうこともあるわけです。
さらに刈り上げることで、毛を採取した直後は傷跡がちょっとした拍子に見えてしまうかもしれません。
毛を採取した上部の髪の毛によって傷跡は隠れるはずですが、寝癖がついてしまったらどうでしょうか?強風で髪の毛が立ち上がってしまったらどうでしょうか?刈り上げるタイプの植毛の場合は、周りに植毛したことが発覚する恐れが多分にあるわけです。
刈り上げないタイプであれば、植毛部位周辺の髪の毛の長さも一定以上にあります。普段の髪型と大きな変化はないので、周りにまじまじ見られるようなこともないでしょう。
採取部周辺の髪の毛の長さも一定以上あるので、ちょっとやそっとでは傷跡を確認されることもありません。刈り上げるタイプに比べて刈り上げないタイプは、周りに植毛を気づかれる確率が圧倒的に低いのです。
大量植毛(メガセッション)をする場合には、傷跡がかなり広い範囲に渡ってできてしまいます。特に3,000株以上の植毛をする場合には、後頭部や側頭部の傷跡はかなり大きなものになるので植毛した直後には、その傷跡を隠す必要があるのです。
上記のようなものを採取部周辺に利用して傷跡を隠す方も少なくありません。
後頭部を刈り上げないタイプの植毛であれば、大量植毛であったとしても周りの毛で傷跡を隠すことが可能です。ですから増毛やかつらによる対策も必要ありません。
増毛やかつらも安いわけではありませんよね。短期間の利用であったとしても、数十万円の費用が発生してしまうこともあるのです。
大量植毛を計画している方は刈り上げない植毛方法を選択するメリットが大きいです。
もちろん刈り上げる植毛法を利用したとしても、すぐに日常生活には復帰できます。激しい運動や頭部に強めの衝撃が加わらなければ、普通の生活は翌日からも出来るわけです。
しかし植毛をした直後は心理的な面もあり、すぐに日常生活には戻りにくいのです。特に刈り上げるタイプは、髪の毛をちょっと掻き分けただけで傷跡がはっきりと見えてしまいます。特にFUT法はメスで切る取るので、ハッキリと横線の傷跡が確認できてしまいます。
中には直ぐに仕事に復帰したくはないので、10日程度の休みが続くような時を待って施術を受ける方もいます。
刈り上げない植毛法であれば、髪型にも変化がないので心理的にも大きな負担はありません。傷跡が見えてしまう心配も少ないので、すぐに社会生活に復帰できるのです。翌日から直ぐに仕事に復帰した、という方も多いんですよ。
精神面的なメリットも刈り上げない自毛植毛法にはあるのです。
刈り上げない自毛植毛は基本的にFUT方のようなメスを使うわけではありません。
FUE法と呼ばれる、毛根一つ一つを採取するとき極細のパンチと呼ばれる器具を利用します。
メスを利用した時できるような一直線の傷跡が残ることもないので、仮に髪の毛を短くするようなことがあったとしてもハッキリと植毛をしたことがバレてしまう恐れはありません。
傷跡が少しでも目立ちにくい植毛を受けたい、という方にも刈り上げない植毛法がおすすめなのです。
傷あとがばれにくい刈り上げをしない自毛植毛ですが、デメリットもあります。大きなものは3つあるので詳しく見ていきましょう。
技術力のあるドクターがいる植毛クリニックであれば問題ありませんが、刈り上げに自毛植毛は刈り上げるタイプに比べて、ドクターの技術力に大きく左右されることは否定できません。
刈り上げない場合は、植毛部にたくさんの長い髪の毛があります。それらの髪の毛を掻き分けて、採取する髪の毛をくり抜いていくわけです。
周りの髪の毛に邪魔されてうまく毛根をくり抜けないと、細胞が傷ついてしまいます。傷ついてしまった毛根は移植したとしても生えてきません。定着できないわけです。
刈り上げない自毛植毛を利用しようと考えている方は、なるべく症例数の多い植毛クリニックを選びましょう。また名医がいる植毛クリニックを利用するのも一つの方法です。こちらのホームページでも名医を紹介しているので参考にしてもらえたら幸いです。
メリットの項で刈り上げない植毛は大量植毛に向いている、とお話したので矛盾していると感じてしまうかもしれません。
刈り上げない自毛植毛に関しては、どうしても毛の採取に時間がかかってしまいます。ですから1日で植毛できる数には限りがあるのです。そこでクリニックの中には2,000株植毛まで、と限定している例もあります。
安心してほしいのは、あくまで1日あたりでの植毛本数には限界がある、という点です。大量植毛をしたいのであれば、複数回に分ければ問題ありません。髪の毛の残存本数が一定以上であれば、複数回の植毛も問題ないのです。
もちろん大量に植毛をしたい方で手術は1回限りにしたい、という方には刈り上げない植毛はおすすめできません。
現状でもスピードアップが課題となっています。今後こちらのデメリットは改善される方向にあると見て良いです。
クリニックによっても金額は異なっているのですが、一般的な刈り上げるタイプの植毛に比べて刈り上げない植毛の費用は高く設定されています。
アイランドタワークリニックの植毛費用に注目してみましょう。
1グラフトあたりで800円もの差がアイランドタワークリニックの場合は出てしまいます。
刈り上げる方法で1,000株植毛をした場合ですが、基本料金(200,000円)+1,200円×1,000株なので総額で140万円となります。刈り上げない方法で1,000株植毛した場合は、基本料金(200,000円)+2,000円×1,000株なので総額で220万円かかります。
前もってどれくらいの金額がかかってくるのかはしっかりと確認した上で、刈り上げない植毛を選択するかを判断しましょう。
アイランドタワークリニックの刈り上げない自毛植毛は「刈らないDirect」と呼ばれています。
日本で最初に刈り上げない自毛植毛を導入したのがアイランドタワークリニックです。経験といった部分では国内トップと言っても間違いではありません。刈り上げない自毛植毛はドクターのスキルが大きく関わってきます。
そもそもアイランドタワークリニックは自毛植毛のシェアが3年連続ナンバー・ワンです(自毛植毛を受けた人の10人のうち7人がアイランドタワークリニックを利用している)。経験といった部分では申し分ありません。
定着率に関しては、刈り上げない方法と同等となっています。経験豊富な医療チームで植毛を実施するので、短時間植毛が可能となっているのです。
費用に関しては基本料金もかかり(20万円)、1株あたり2,000円と少し高めの設定です。モニター割引などの割引システムは豊富にあるので、そちらも確認しておきましょう。
【アイランドタワークリニックの刈り上げない自毛植毛の注目点まとめ】
アスク井上クリニックの刈り上げない自毛植毛は「アンシェーブン i-SAFE」と呼ばれています。刈り上げる植毛と同様の精度を可能にしているのが大きな特徴です。
1回の施術あたりの植毛本数上限が明確化されており、「2,000株まで」としています。ただしアスク井上クリニックでは、刈り上げるタイプの植毛(スタンダードi-SAFE)と組み合わせることで、1回あたり最大で4,000株まで植毛できると豪語しているのです。
費用に関しては、基本料金が185,000円であり1グラフトあたり1,700円となっています。費用に関してはアイランドタワークリニックよりも低価格となっているのです。
【アスク井上クリニックの刈り上げない自毛植毛の注目点まとめ】
親和クリニックの刈り上げない自毛植毛は「NC-MIRAI法」と呼ばれています。親和クリニックには経験豊富な医療チームがおり、刈り上げない自毛植毛を可能にしました。
植毛する器具にも大きな特徴があります。極細の0.63mmマイクロパンチブレードを利用して毛根を採取するので傷跡が圧倒的に残りにくいのです。1株1株を高密度で植毛する技術も持っています。
採取時間には特にこだわっており、1時間で1,000株以上を採取した実績もあります(他のクリニックの平均は1時間あたり500株から600株程度)。
費用は他のクリニックに比べて圧倒的に高く設定されています。基本料金が300,000円で1株あたり2,000円の設定となっています。ここで紹介している3つのクリニックの中で最も高額な設定となっているのです。
【親和クリニックの刈り上げない自毛植毛の注目点まとめ】