傷跡が残らない自毛植毛ってあるの?FUT法とFUE法における傷跡の違いを徹底解説

傷跡が残りやすい植毛と残りにくい植毛

頭部をメスでカットしてできた3本の傷跡

残念ながら現在の医療技術では、傷跡が残らない植毛は無理です。スキンヘッドにしてしまえば、植毛した跡がはっきりと見えてしまうわけです。

 

しかし植毛方法によっては傷跡が残りやすかったり、残りにくかったり、ということがあることも事実です。傷跡が残るのが嫌だ、という方は傷跡が残りにくい方法で植毛すべきです。

 

一方で「どうせ傷跡は他の髪の毛で隠れるから問題なし」という考え方の方は、傷跡が残りやすいタイプの植毛法でも問題ありません。

 

こちらではなぜ植毛をすると傷跡が残ってしまうのか、さらに傷跡が残ってしまう場所、そしてFUT法とFUE法の傷跡の残り方の違いについてお話します。傷跡の情報がなくて植毛に一歩踏み出せなかった、という方は必見です。

 

 

どうして植毛をすると傷跡が出来てしまうのか?

単純明快です。植毛をするためにはお肌を傷つけなければならないからです。お肌の表面だけ影響与えるのであれば、傷は消えるかもしれません。浅い切り傷や擦り傷程度であれば、お肌に残りませんよね。

 

植毛はどんな方法であったとしても、毛根を採取できるほどの深い傷を付けなければなりません。

 

もちろん内蔵の手術をするような深さの傷は必要ありませんが、お肌を一定以上深く傷つけなければならないのです。

 

坊主頭 後頭部にできている植毛の傷跡

「数ヶ月経てば綺麗になるのでは」と思うかもしれません。確かに植毛した直後の時よりは傷跡がきれいになっていることは間違いありません。

 

しかし傷跡はどうしても残ってしまうのです。頭部のお肌の色と植毛をするために施術した部分とでは色が異なってしまいます。

 

髪の毛で隠れるので基本的には傷があったとしても問題はありません。しかし刈り上げたり坊主にしたりスキンヘッドにしたりすれば、当然色の違いで不自然に見えてしまうわけです。

 

どの部位に植毛の傷跡が残るのか?

  • 後頭部
  • 側頭部
  • 移植部

 

後頭部や側頭部に傷跡が残る理由

移植する髪の毛を採取する時に傷をつけるからです。ただし後頭部と側頭部の両方に傷が残るとは限りません。

 

人によっては後頭部のみから毛を採取するケースもあるからです。その場合は側頭部を傷つけないので、傷が残るのは後頭部のみ、となります。

 

採取部の傷跡に関しては、毛根を切断してはならないのでかなり深い傷をつけることになるのです。メスやパンチと呼ばれる器具を使うのですが、それらの器具を使って採取した部分は一生涯に渡って傷が残り続けることになります。

 

移植部に傷跡が残る理由

おでこにスリットを入れたため出血しているが画像

採取した髪の毛を移植するために、スリットと呼ばれる切れ目を入れるからです。その切れ目に対して髪の毛を植え込むことで植毛は完了します。

 

また最近ではパンチと呼ばれる器具でそのまま移植部に毛を植え込んでいく手法が採用されていることもあります。切れ目やパンチと呼ばれる器具を使った植毛であったとしても、基本的に傷跡は残ります。

 

浅い切れ目などを入れれば、たしかに傷跡は残りにくいかもしれません。しかし植毛が浅くなってしまうと、定着率が悪くなってしまう恐れもあります。髪の毛の流れがおかしくなってしまうことも考えられるのです。

 

ですから一定以上の深さで植え込んでいくことになるので、移植部にも一定の傷跡が残ってしまいます。

 

しかし移植部の傷跡に関してはそれほど気にすることはありません。移植部の傷跡に関しては移植した髪の毛によって隠れることがほとんどだからです。

 

よほど密度が少なくスカスカ状態の植毛になってしまった場合は別ですが、移植部の傷跡に関して気にする方はほとんどいないのが実情です。

 

FUT法とFUE法|植毛法による傷跡の違いについて

 

FUT法の傷跡

後頭部に残ってしまったFUT法の傷跡例

主に後頭部に一直線の白い傷跡が残ってしまいます。

 

太さは全く異なりますが、お尻やお腹などにある肉割れなどと同じようなものが後頭部に出来てしまうわけです。

 

基本的には傷跡は髪の毛で隠れているので問題は発生しません。しかし将来的に薄毛の範囲が後頭部まで下がってくるようなことがあると、傷跡が露出することも考えられるわけです。

 

さらに刈り上げたり坊主にしたりスキンヘッドにしたりすると、傷跡が見えてきてしまいます。

 

植毛の傷跡であるかは一般の方には判別できないかもしれませんが、頭部に何かしらの手術を受けたのではないか、といった印象を持たれてしまうことは間違いありません。

 

FUT法の後頭部の一直線の傷跡ですが、もちろん目立ちやすさには個人差があります。基本的にドクターの技術力に左右されてしまうのです。

 

執刀医が植毛の施術に慣れていなかったり、縫合に慣れていなかったりすると縫合部の範囲が広くなってしまい、傷跡が大きくなってしまうのです。少しでも目立ちにくいようにするためには、良いドクターに施術して貰う必要があります。

 

植毛の名医について詳しくはこちら

 

FUE法の傷跡

後頭部にのkっていうrFUE法による傷跡例 坊主頭

傷跡の形としては、米粒のような白くて小さい傷あとが残ります。(採取したドナーの数だけ)

 

FUT法はパンチグラフトと呼ばれる器具によって、後頭部や側頭部から毛根をくり抜きます。切開するのではなく毛根一つ一つに対して器具でくり抜いてくことになるのです。

 

FUE法の傷跡に関しては、スキンヘッドや坊主にすると見えてしまいます。しかしその傷跡が植毛の跡である、ということが分かる方はほとんど居ないでしょう。頭皮にあるシミのようなもの、といったイメージで捉えてくれる方もいるかもしれません。

 

FUT法とFUE法のどちらのほうが傷跡は残りにくいのか?

FUE法の方が傷跡は残りにくいです。FUT法は後頭部に一直線の傷跡がどうしても残ってしまいます。

 

FUE法は日々進歩しているのです。毛根をくり抜く時に利用されるパンチグレードですが、どんどんと微細なものになっています。微細なものでくり抜いていくので、より傷跡は残りにくくなっているのです。

 

以前、パンチグレードの大きさは1ミリほどありました。その後に0.8ミリ程度のパンチグレードが利用されるようになり、最近では0.5ミリから0.6ミリのパンチグレードが登場しているのです。以前に比べれば、キズ一つ一つの大きさが半分程度に縮小しているのです。

 

傷跡が見えた時の状況も異なります。FUT法は植毛である場合がバレやすいです。植毛であるとバレなかったとしても「何かしらの手術を受けたのでは?」と思われてしまうかもしれません。

 

FUE法はひと目見ただけでは何の跡であるかはわかりません。植毛後の髪型はできれば自由にしたい、と考えている方はFUE法を選択しましょう。

 

傷跡を大きくしないために出来ることとは?

植毛直後は安静にすることが大切です。

 

植毛を受けて日がたっていないのに、動きまわって頭皮に負担をかけるようなことがあれば縫合に問題が生じてしまうかもしれません。傷口がひらいて出血してしまうことあるのです。

 

傷口がひらいてしまうようなことがあれば、当然縫合跡も大きくなってしまいます。傷跡が目立ってしまうわけです。

 

FUE法もFUT法ほどではありませんが、やはり植毛直後は安静にしなければなりません。メスで切開したほどではありませんが、後頭部の皮膚をくり抜いているわけです。負担をかけるようなことがあれば、跡が大きくなってしまうかもしれないのです。

 

問題があればすぐにクリニックへ向かうこと

縫合部などに何かしらの不具合を感じたら、すぐに施術をした植毛クリニックへ連絡してください。

 

植毛クリニックでは万全の体制で施術をしているはずですが、施術部に菌などが侵入して炎症をおこすこともあります。化膿してしまうこともあるのです。炎症や化膿をそのままにしてしまえば、傷跡だけではなく周辺の髪の毛にもマイナスの影響を与えてしまうかもしれません。

 

もしも切開した周辺の髪の毛がぬけてしまうようなことがあれば、傷跡が目立ちやすくなってしまいます。植毛後に違和感が出たら、必ず確認してもらいましょう。

 

植毛の傷跡を目立たなくする方法とは?

なるべく短髪にしなければ傷あとが目立つことはありません。スキンヘッドをすれば当然地肌が露出するので、傷跡が見えてしまいます。坊主でも地肌が露出するので、植毛の傷跡が見えてしまうのです。

 

FUE法であれば、刈り上げ程度であれば目立たないこともあります。しかしFUT法については刈り上げでも目立ってしまうので、刈り上げも避けなければなりません。

 

植毛は必ず傷ができてしまうものであり、その傷は髪の毛で隠すものです。短髪にすると隠すものがなくなってしまうので、一定以上の長さに維持していくことが大切です。

 

植毛後しばらくはヘアシートを利用する

最近では刈り上げない植毛も出てきました。

 

刈り上げない植毛について詳しくはこちら

 

しかし刈り上げない植毛は費用もかかります。安上がりに済ませたい、という方は今まで通りに刈り上げるタイプの植毛を選択することになるでしょう。

 

刈り上げるタイプの植毛をした場合には、しばらくは後頭部のドナー採取部付近の髪の毛が短い状態になっています。植毛の傷跡が見えやすい状態になっているのです。

 

刈り上げ部分にヘアシートをつ行けようとしている画像 生えそろったら不必要である

髪の毛が生え揃ってくれば問題ありませんが、生え揃うまでは時間がかかります。そこで注目してほしいのがヘアシートです。

 

ヘアシートはウィッグのようなもので、植毛後しばらくしてから利用できるつけ毛となっています。

 

術後の傷跡を隠す方法としてはかなりおすすめの方法なので、刈り上げるタイプの植毛を検討している方は利用を検討しましょう。

 

ちなみに刈り上げた髪の毛が生えそろうには、大体6ヶ月程度はかかります。それまではヘアシートを利用して、生えそろったら利用しなくてOKです。価格ですが、40,000円から50,000円程度となっています。

 

傷跡に植毛する方法もある

あまりに下手なドクターに施術をされてしまうと、傷跡が不自然残ることもあります。縫合する時に毛の流れが変化して、後頭部に分け目のようなものができてしまうこともあるのです。

 

あまりに傷跡がひどい場合には、植毛の傷跡に対して植毛をする、ということも検討しましょう。

 

傷跡に対する植毛については問題ありません。植毛の傷跡だけではなく、頭部に手術を受けたことがある方も実際に適用しているのです。

 

傷跡植毛に関しては、あくまで傷跡を隠すだけなので、それほどの本数は必要ありません。200株から300株の植毛でも十分に対応可能です。

 

FUT法でも傷跡が目立たない!?〜トリコフィティック縫合法〜

植毛クリニックで有名な紀尾井町クリニックで行われている縫合法が「トリコフィティック縫合法」です。

 

トリコフィティック縫合法は特殊な縫合法であり、傷の下の縁の表皮を1ミリから2ミリ程度削ります。そして傷の上の縁を表皮にかぶせるようにして縫い合わせていくのです。

 

トリコフィティック縫合法の症例 どこから毛を採取しているのかわかりにくい

著名な縫合法ではありませんが、実際に傷跡はかなり目立ちにくくなると話題になっています。一定期間過ぎると、どこで縫合したかわからなくなることもあるのです。

 

もちろん個人差があるので、誰でも同じような結果になるわけではありません。しかしFUT法を考えており、傷跡を目立ちにくくしたいと思うのであればチャレンジする価値はあります。

 

※紀尾井町クリニックではFUE法の植毛も実施しています。

 

紀尾井町クリニックについて詳しく知りたい方はこちら