薄毛の悩みは若い人だけではありません。60代以降や70代以降の方であったとしても、薄毛に悩んでいる方は多いのです。
そもそも髪の毛の量によって見た目の年齢は大きく変化します。「少しでも若く見られたい」というのは年齢に関係ない人間の欲望の一つです。
こちらでは高齢者の方が植毛を受けても平気なのか?さらに高齢者の薄毛の解消方法として植毛は適切なのか、という面について詳しく解説します。
第二の人生をフサフサな状態で過ごしたい、と願っている高齢者の方は必見です。
植毛に年齢制限はありません。高齢だからといって植毛が禁止されることはありません。
薄毛を改善させる一つの手段として、植毛を選択しても問題はないわけです。
実際、どのくらいの年齢まで植毛クリニックは施術しているのかというと、60代から70代の植毛を経験しているクリニックが多くなっています。
なかには80代の植毛を実施した経験がある植毛クリニックもあるので、高齢者でも問題なく植毛の施術を実施できているのが分かるはずです。
ただし知っておかなければならないのは、あくまで植毛クリニックを利用する年代の中心は30代から40代である、という部分です。
特に30代はまだ周りに薄毛が少ないので、疎外感というものも持ってしまいます。友人からからかわれてしまうような経験もしているのです。そういったこともあり、確実に薄毛を改善できる方法として30代から40代に植毛が選ばれています。
高齢者の方の中にも薄毛を解消の方法として植毛を選択するケースはありますが、まだまだ症例数はそれほど多くないのが真実なのです。
だからといって高齢者の植毛はおすすめできないわけではありません。手術自体の安全性は高いです。薄毛が回復する可能性も十分に考えられるので、高齢者で薄毛に悩んでいるのであれば植毛も一つの選択肢に入れましょう。
年齢を理由に植毛を断られてしまうことはあるのかというと、90代や100歳を超えているケースは健康面や体力面の問題で断られてしまうかもしれません。
健康に何も問題がなければ60代でも70代でも、年齢を理由に植毛を断られてしまうことは基本的にはないのです。
植毛の施術は難しいものではありません。高齢者でも植毛を受けられるのは、危険度が極めて低い、との理由があるわけです。
確かに植毛の手術にはメスを使うケースもあります。しかし切開するのはあくまで皮膚の表面程度のものです。内部まで切開して内蔵に何かしらの影響を与えることもないわけです。
施術を受けてからしばらくは安静にしなければならない、といった制約もほとんどありません。そもそも植毛は入院する必要が無いのです。日帰りで受けられるので、いかに身体に負担がない施術を実施しているかがわかりますよね。
年齢の制限はありませんが、体力がなければ植毛は受けられません。
年齢が高くなるごとに体力が減少していくのは致し方がないことです。そこで重要になってくるのが、植毛の施術に耐えられる体力があるのか、という部分です。体力があるのであれば植毛は薄毛改善の一つの選択肢に入ってくるでしょう。
植毛の施術時間ですが、植毛本数によります。1,000株程度であれば、早ければ2時間、かかっても3時間程度です。しかし3,000株植毛などのメガセッション植毛を実施する場合には5時間から6時間もかかってしまいます。
長時間の施術にも耐えられる体力がなければ施術は受けられません。
自毛植毛するためには、自分の髪の毛が必要になってきます。髪の毛が一定以上少ない場合には施術は受けられません。
高齢者の場合は薄毛が進行して、側頭部や後頭部まで薄くなっているケースも少なくありません。数量的な問題から、そもそも植毛するだけの髪の毛が残っていない場合には植毛は不適格となるわけです。
植毛をするために採取した部位には、メスを使ったFUT法はもちろん傷が残ります。一方でパンチと呼ばれる微細な傷を使った植毛であるFUE法でも、多少の傷は残ります。
その傷については残存した髪の毛で隠すのが基本ですが、高齢者の場合は傷跡を隠すための髪の毛もない、といったケースもあります。
傷跡が残ってまで植毛は受けたくない、という方は側頭部や後頭部に一定以上の本数が残っていなければ植毛はおすすめできないのです。
薄毛の症状によって植毛が適切なケースもあります。逆に適切ではないケースもあるのです。
男性型脱毛症であれば、植毛は適切な治療法の一つに入ってきます。男性型脱毛症は前頭部と頭頂部の毛根に影響を与える薄毛となっているのです。ですから側頭部や後頭部の髪の毛を移植すると生えてきます。
男性型脱毛症の原因物質であるジヒドロテストステロンは、前頭部から頭頂部にもともと生えていた髪の毛にしか影響を与えないからです。側頭部や後頭部の髪の毛には影響を与えないので、植毛の効果が得られることになります。
しかしその他の薄毛の原因が関わっている場合には、植毛した毛にも何かしらの影響がでるかもしれません。植えた毛が産毛以上にならない、といった事も考えられるわけです
高齢者になってからでも発症する恐れはあります。ジヒドロテストステロンの量は人それぞれ異なっています。また人によって受ける影響にも差があるわけです。
男性型脱毛症になる遺伝子を持っていたとしてもジヒドロテストステロン量が少なければ50歳近くまで髪の毛の多くが残存するケースも珍しくありません。
長年ジヒドロテストステロンの影響を受けてきて、やっと60歳近くで薄くなってくる例もあるのです。
ここでは、高齢者への植毛をおすすめしない4つのケースについてお話ししておきたいと思います。
植毛はそれほど難しい施術ではありません。しかし数時間掛かるので、体力がない場合には適切ではないのです。
高齢者の場合は、体力がなくて数時間の施術に耐えられない方もいます。体力がないと判断されてしまった場合には、クリニック側から施術を拒否されてしまう恐れもあるので注意しましょう。
仮に80代であったとしても体力に自身がある方であれば問題ありません。
体力に自信がない方でも植毛を受けたいのであれば、まずは低本数で施術を受けてみるのもおすすめです。300株程度から施術を行ってくれるクリニックもありますよ。
自毛植毛なので、自毛が足りなければ植毛できません。
高齢者の場合は前頭部から頭頂部だけではなく、側頭部や後頭部まで薄毛の範囲が侵食してきているケースも珍しくないのです。残存本数が圧倒的に少なくなってしまっている場合には、植毛する本数が確保できません。施術不可となってしまうのです。
もちろん残存本数が少なくなったとしても、残っている髪の毛を使って植毛をしようと思えばできます。しかし低密度になってしまい、植毛してもスカスカになってしまうわけ。後頭部や側頭部の採取部の傷跡も目立ってしまうなど、良いことは一つもありません。
高齢者の薄毛の原因として「瀰漫性脱毛症(びまんせいだつもうしょう)」というものがあります。要は血行不良による栄養不足が原因の薄毛なのです。
瀰漫性脱毛症は前頭部から頭頂部だけ薄くなるのではなく、頭部全体の毛が薄くなる、といった特徴があります。はげあがるのではなく、全体的に少しずつ露出していきます。
瀰漫性脱毛症の場合は植毛が適切とはいえません。頭部の血行不良が関わっているので、どこに植えたとしても薄いままになってしまうわけです。植毛では効果がほとんど得られません。
瀰漫性脱毛症の場合は、植毛ではなく血行改善などの瀰漫性脱毛症対策をしましょう。
糖尿病によって植毛手術の傷の治りが遅くなり、結果的に化膿してしまう危険性があります。糖尿病の方の植毛はかなり難しいのが現実なのです。
若い方でもなっている方はいますが、年齢が高くなるごとに糖尿病の方は増えていきます。糖尿病と診断された方は、必ず前もって植毛クリニックに相談してください。
最近では傷口を小さくする施術法もあり、糖尿病の程度によっては植毛が可能とされるケースも出てきました。ただし高齢で糖尿であると施術を断られてしまう事が多いので注意が必要です。
年齢が高くなればなるほど薄毛の人は増えていきます。
年代 | 割合 |
---|---|
10代(15歳から19歳) | 10.5% |
20代(20歳から29歳) | 25.8% |
30代(30歳から39歳) | 38.2% |
40代(40歳から49歳) | 45.4% |
50代(40歳から59歳) | 53.4% |
60歳以上(60歳から) | 60.5% |
※リーブ21による2013年の調査より(PDFファイル)
あくまで脱毛を気にしている人の割合の統計となっていますが、60歳以上の高齢者の場合には60%以上の方が薄毛を気にしている、ということなのです。
実際に60歳以上になると、周りの男性の多くが薄毛です。30代の頃などは薄毛の人のほうが少ないのですが、60代になると逆転現象が起こるわけ。
フサフサであることで周りに若さをアピールできる年代でもあるわけです。自分にも自信が持てて、第二の人生も楽しめるはずです。
すでにリタイアしている人前提ですが、働いている人よりは圧倒的に施術が受けやすいのは間違いありません。特に平日でも施術を受けられるのは大きいでしょう。施術の予約も取りやすいので、予定通りに植毛できるのです。
現役世代だと植毛した翌日などに仕事が入っているケースも珍しくありません。施術後数日間はかさぶたなどがある状態なので、色々と気にしてしまったり痛みがあったりで仕事に集中できない、といったケースもあるのです。
その点、高齢者の場合は植毛後もそれほど大きな問題に直面することはないでしょう。
次にデメリットも見ていきましょう。
年齢的なものでもあるので仕方ないですが、若い方に比べると植毛の傷がいえるまでには時間がかかります。
お肌の「ターンオーバー期間」といったものを聞いたことがある方も多いでしょう。お肌が新しく入れ替わる間隔を表したものですが、若い時は期間が短く、歳を重ねるごとに長くなっていきます。なかなかお肌が入れ替わらないのです。
高齢者は植毛部の傷が治るのも時間がかかりますし、後頭部などの採取部の傷がいえるのも長期間かかるので注意が必要です。
高齢になってからの植毛だと、大量採取をしなければならないケースが多くなります。
基本的に1株あたりの費用は1,000円で、プラスして基本料金が20万円ほどかかります。仮に1,000株植毛の場合は、120万円ということになります(1株1,000円×1,000株+基本料金20万円)。
高齢者の場合は薄毛の範囲が広いので3,000株などの植毛が必要になることも珍しくありません。さらに多くの株数を植毛するケースもあるのです。
仮に3,000株植毛をするとなると、相場では320万円もかかってしまいます(1株1,000円×3,000株+基本料金20万円)。費用を抑えたいのであれば、薄毛の進行を止めつつ早めの植毛することが肝心です。
シニア(高齢者)割引を行っているクリニックもあります。基本的には、60歳からですが、50代からでも可としているところもあります。
割引率については各クリニックによっても異なりますが、10%から15%程度が相場となっています。ただし常時行われているものではないので事前に確認してからどのクリニックを利用するか判断しましょう。
一方でシニア割引のように不安定ではなく継続的に行われている割引キャンペーンもあります。モニター系のキャンペーンであり、写真などを提供することで20%や30%の割引になることもあるのです。
キャンペーンの併用は基本的にできないので、より割引率が高い割引キャンペーンを利用するのが負担を軽減する一つの方法です。