大きな事故にあって頭部を怪我してしまうと、何針も縫ってしまうこともあります。事故じゃなくても頭部を怪我してしまうことはあるわけです。
頭部に傷跡が出来てしまうと、傷跡の毛根は基本的には切断されて髪の毛が生えなくなってしまいます。しかも傷跡は白くなることが多く、場合によっては目立ってしまうのです。
容姿的な観点から頭部の傷跡が目立たなくなるように植毛を受けてみたい、と思っている方も多いのではありませんか?
こちらでは頭部の傷跡を隠すのを目的として植毛は有効なのか?傷跡に植毛しても髪の毛は生えてくるのか?傷跡への植毛の費用はどの程度なのか?などを明らかにしていきます。
頭部に傷跡があって悩んでいる、という方は要チェックです。
傷が深い場合には毛根の細胞を傷つけている可能性が高いです。髪の毛は毛母細胞や毛乳頭細胞などが関わっています。それらの細胞が怪我によって傷ついている場合には、髪の毛は生えてきません。
細胞が死んでしまっているので、育毛剤を利用しようが発毛剤を利用しようが生えてくることはないのです。
けががそれほど深くなく、細胞が生存している場合には再び生えてくる可能性もあります。
手術などを行った場合には、傷跡周辺の毛を剃っていることが多いので、傷跡が特に目立ちます。しかし髪の毛の細胞が生存している場合には特に大きな問題はありません。少し時間はかかってしまいますが、また髪の毛は生えてくるのです。
頭部に傷跡が出来てすぐに植毛を決断するのではなく、まずは髪の毛が生えてくるかを確認しましょう。頭部を怪我して6ヶ月以上たっているのに傷跡が目立ち続けている、というケースは毛根が死んでしまっており、髪の毛が生えない状態になっていると考えられます。
確実に生えてこないとわかった時点で対処を考えましょう。
頭部の傷跡が目立ってしまう原因として、まずは傷の幅があります。傷の幅が1ミリや2ミリ程度であれば、それほど目立つようなことはありません。髪の毛のボリュームがあれば、周辺の髪の毛で傷跡がしっかりと隠れるわけです。
一方で傷跡ですが、かなり深いものになると傷跡の幅も大きくなってしまします。5ミリや1センチ近くなってしまうこともあるのです。
そのくらいの大きさになってしまうと、いくら髪の毛ボリュームが有るからといって傷跡を隠しきれるものではありません。髪の毛が風に煽られただけでも目立ってしまうような状況も考えられるわけです。
開頭手術などを受けた場合や深い傷が出来てしまった場合には、縫合をしなければなりません。要は針で縫っていかなければならないのです。
縫合手術をする時には、傷跡の左右の肌を縫い縮めるようにして対処します。肌が引っ張られるような感覚になるわけです。そうなることによって毛流れに大きな変化が現れてしまうのです。
縫合することで毛流れの変化が起きると、その傷跡部分で分け目を付けているような感覚になってしまうこともあります。傷跡に分け目が出来ることで、やはり傷が目立ってしまうわけです。
毛流れの変化は縫合手術を行うと多少なりとも起こってしまいます。傷跡とは少し関係ないかもしれませんが、髪型のセットが難しくなるようなケースも多く報告されています。
傷跡への植毛手術は可能です。
植毛は基本的に近くに毛細血管がある状況であれば可能とされています。植毛した毛が栄養を受け取れるような環境であれば、定着して生える可能性があるわけです。
傷跡に関しても、肌の質は少し変質してしまっていますが肌であることには変わりありません。そして周辺には毛細血管があるわけです。ですから傷跡への植毛は全く問題ありません。
傷跡に植毛した毛についても、一般的な頭部への植毛と結果は大きく変わりありません。定着率が著しく下がる、ということもないのです。
ほとんどのクリニックでは実施されていませんが、自毛植毛以外に人工毛植毛もあります。人工毛植毛は、頭皮全体が傷跡になることがあります。人工毛は人体にとっては異物なので、免疫システムが反応して炎症を起こしてしまうのです。その結果、人工毛を脱毛させていきます。
人工毛を植える時には自毛植毛と同じようにスリットを入れるわけですが、数年で人工毛は全て抜けてしまいます。その結果、植毛した場所全体が傷跡のようになってしまうのです。
人工毛植毛の傷跡は植毛した部位全体にあるので、隠すためには定期的に植毛を行い続けなければなりません。人工毛植毛は必ず抜けることになるので、長期間に渡り何回も施術を受けなければならないことに・・・。
その人工毛植毛によってできてしまった細かい頭皮の傷跡に関しても、自毛植毛によって対処できます。中には「最初は人工毛植毛を選択したけど、やっぱり自毛植毛を利用したい」と考えている方も多いのではありませんか?
人工毛植毛を受けた後でも自毛植毛を利用することは全く問題ありません。できれば人工毛がすべて脱落した後に施術を受けたほうが効率的ですが、多少残っている場合であったとしても施術は可能です。
頭の傷あとを隠す方法は自毛植毛だけではありません。ここでは、傷あとをかくすための4つの方法を紹介します。
縫縮術とは傷跡をまずは切り取ります。そして縫い合わせる手法となっています。傷跡が広い場合には有効な手段となります。ただしデメリットもあるので注意しなければなりません。
縫縮術の場合ですが、前述した傷跡の縫合時と同じような結果を生む可能性もあるのです。
肌と肌と縫い合わせることになるので、髪の毛の流れが大きく変化してしまいます。髪の毛の流れが変わることで、不自然な状態になってしまうことも十分に考えられます。分け目のようなものが出来てしまい、縫縮術の跡が目立つような結果になってしまうこともあるのです。
よほど傷跡の幅が広い以外は、縫縮術を避けましょう。デメリットも多く、かえって傷跡を目立たせるような結果になってしまうかもしれないわけです。
簡単な傷跡をカバーする方法と言っても良いでしょう。植毛とは異なり、その場しのぎの対策法とも言えます。
傷跡周辺だけに利用するかつらを利用するわけです。部分かつらとなるので、全頭型のかつらよりは低価格で購入できます。しかしかつらに関しては不具合が起きてしまった場合に備えてスペアも必要です。2年程度で作り変えもしなければならないので、おもったよりも費用がかかってしまうのです。
メンテナンスをしなければならない、という点ではかつらは植毛に劣ります。またズレてしまうような心配もしなければなりません。心理的な面でも植毛よりマイナスとなっているわけです。
傷跡周辺の毛に結つけてタイプの増毛も、傷跡を目立たなくする一つの方法となっています。傷跡周辺に毛が残存していれば対応できるので、比較的おすすめの対処法と言っても良いかもしれません。
ただし傷跡の範囲が広い場合には対応できません。あくまで髪の毛がある部分に対応していくことになるので、傷の幅が数センチに及ぶような場合には、増毛をしたとしても地肌が露出してしまうのです。
結付けタイプ以外にもシートタイプの増毛法もあります。傷跡のサイズに合わせてシートを貼り付けるわけですが、2週間程度で取り換えが必要になってきます。また傷跡に貼ることは想定していないので保証などが効かないケースも考えられるので注意しましょう。
国内ではメディカルSMPセンターが実施している薄毛治療の一つの方法です。
アートメイクの一つの方法となっており、皮膚に毛根を描いていくことになります。皮膚に注入した色素は安全性が高いものであり、心配はありません。ただし一定期間で色素が薄くなることもあるので、一定間隔でメンテナンスが必要になります。
メンテナンスの推奨間隔は2年に1度程度です。
基本的には坊主のような髪型に対応している薄毛の対処法ですが、皮膚を黒くすることになるので、傷跡を目立たなくさせることも可能です。
しかしSMP施術には大きな問題があります。入れ墨(tatoo)ではないのですが、入れ墨に近い存在であるために一度注入した色素を取るのは簡単ではありません。しかも施術を実施しているメディカルSMPセンターでは2018年1月現在で、色素を除去する施術には対応していません。
色素を除去したくなったとしても施術を行ったところでは対応してもらえないので、もしも色素を取り除きたくなったら他の除去してくれるクリニックを探さなければならないのです。
目安の金額は30万円程度となります。
基本料金の相場が20万円から30万円であり、1株あたりの植毛価格は1,000円程度です。狭い範囲の傷跡で貼れば100株程度でカバーできるので、費用の相場は20万円+1,000円×100株となり「30万円」ということになります。
植毛本数が少なければそれだけ費用もかからないので、少しでも費用をカットしたい場合にはクリニックに相談してみましょう。
目安の金額は70万円です。基本料金が20万円として、1株あたりの植毛価格を1,000円とします。20万円+1,000円×500株となり、費用は「70万円」となりました。
500株植毛となるとかなりまとまった費用がかかってくることになります。モニター割引などを実施しているクリニックもあるので、そちらの利用も考えておきましょう。
幾つかの条件はありますが、親和クリニックでは傷跡に対する無償手術を実施しています。100株限定の植毛となっていますが、500円玉台までの傷跡であれば対処できるとされているので、傷跡が小さい方は利用を計画してみましょう。
【親和クリニックの傷跡100株無料植毛の条件】
注目してほしいのは親和クリニックでは中高生に対しての傷跡植毛については保険適用がある、という部分です。101株以上の植毛に関しては3割負担で施術が受けられるので、「100株を超える植毛を受けたい」との希望を持っている中高生にも親和クリニックはおすすめです。
フェイスリフトを受けた方への植毛が増えています。
美容外科手術の一つにフェイスリフトがあります。シワやたるみを取るために行われるものですが、目尻の皺やこめかみや頬のたるみを取るために実施されるのです。
切開をして施術を行うことになるのですが、顔だと傷跡が目立ってしまいます。そこで髪の毛のある部位を切開してそこからフェイスリフトを実施するわけです。髪の毛がある場所であれば傷跡が目立たなくなる、との判断から実施されるのです。
しかし髪の毛がある部分とはいえ、縫合を実施するので傷跡ができてしまいます。
生え際から近い部分で縫合することがほとんどなので、生え際が少し後退してしまったり薄くなってしまったりすると傷跡が目立ってしまうわけです。
そこでフェイスリフトの傷跡を目立たなくするために利用されているのが植毛です。フェイスリフトを受けることによってできた傷跡の周辺に植毛を実施するわけです。
傷跡への植毛に関しては男女関係なく実施されており、実際に女性の利用者が多いことも指摘しておかなければなりません。
そもそもフェイスリフトをして顔のお肌が若返ったように見えたとしても、髪の毛のボリュームがダウンしてしまえば老けて見えてしまいます。本末転倒も良いところです。