自毛植毛で健康保険・医療保険が適応されるケースってある?

自毛植毛と健康保険・医療保険の関係性とは?

健康保険被保険者証のイラスト

自毛植毛はやすい金額でできるものではありません。100万円から200万円、大量の植毛を行う場合には300万円前後かかってしまう事例もあるのです。

 

仮に自毛植毛に保険が適用されるのであれば、30%負担で済むことになります。

 

保険を使えば100万円の施術であったとしても30万円前後で受けられることになりますよね。しかし医療保険・健康保険が適用されることはありません。

 

こちらではなぜ自毛植毛の施術に保険適用がないのかを明らかにします。

 

「保険が適用されなかったとしても、医療費控除は受けられるのでは?」と思っている方もいるでしょう。税金がお得になりますよね。自毛植毛と医療費控除の適用についても解説します。

 

もう一点注目している方が多いのが、薄毛治療のすべてが自己負担なのか、という部分です。AGAによる自毛植毛は自己負担ですが、他の治療についても保険適用はないのかをお話します。

 

少しでも自毛植毛を安く済ませられる方法はないのか、といったことを考えている方は必見です。

 

 

自毛植毛の施術に健康保険・医療保険が適用されない理由

例えば二重の施術であったり脂肪吸引であったり、豊胸手術であったりといったものに保険は適用されるでしょうか?されませんよね。

 

美容整形クリニックで行われている施術は、健康目的ではなく美容目的とされているからこそ保険が適用されないのです。

 

植毛に関しても美容目的として行われている、と判断されています。そもそも男性型脱毛症で死ぬことはありません。

 

インフルエンザのように人に空気感染するわけでもないのです。特に健康状態が悪化することもありません。単に見た目だけが異なっている、という状況です。

 

男性型脱毛症のままでも何かしらの問題がないので、保険が適用されることは今後もないでしょう。

 

テレビコマーシャルで「お医者さんに相談だ♪」と述べている爆笑問題

気に掛かる方もきっといますよね。テレビコマーシャルで爆笑問題が「抜け毛が増えたと感じたらお医者さんに相談だ」(MSDのテレビコマーシャルより)と言っていましたよね。他にも「AGAは病気です」といったフレーズが出てくるコマーシャルも存在していました。

 

「お医者さん」や「病気」といったフレーズが出ているのに、なぜ保険が適用されないのでしょうか。明らかに病気であるということを言っているわけですよね。

 

実は医学的に認められた治療方法が確立されている、ということを伝えるためにそのようなフレーズが使われているのです。そもそも男性型脱毛症は病気とはいえません。前述したように要は見た目だけの問題なのですから。

 

保険が適用されない理由はシンプルです。植毛は美容目的だから適用されることはありません。

 

包茎手術と保険の関係性から理解できる

  • 真性包茎の包茎手術・・・保険適用があるケースも
  • カントン包茎の包茎手術・・・保険適用があるケースも
  • 仮性包茎の包茎手術・・・保険適用なし

 

3種類の包茎をわかりやすく説明しているイラスト

真性包茎は、勃起しても亀頭のほぼ全てが皮によって覆われている状態を指しています。カントン包茎は皮の先がすぼまっており、勃起すると亀頭を締め付けてしまいます。

 

 

真性包茎とカントン包茎は亀頭が皮によって包まれており、非常に不衛生な状態になってしまいやすいのです。その結果、炎症を起こしたり化膿したりすることもあります。病気に直結する状態であるからこそ、保険適用が認められているのです。

 

※カントン包茎の場合は勃起しただけで皮が裂けて出血したり、SEX中に皮が裂けて出血したりすることもあります。

 

一方で仮性包茎でも包茎手術を受ける人はいます。しかし仮性包茎は勃起すると皮がむけるわけです。亀頭もしっかりと洗えるので衛生状態も問題ありません。

 

何より仮性包茎は人間の大部分がなっている自然な状態なのです。仮性包茎が自然であると周知されており、仮性包茎くらいでは包茎手術を受ける文化がない地域もあるほどです(ヨーロッパなど)。

 

男性型脱毛症と同じく仮性包茎も病気とはいえないものなので手術には保険が適用されません。

女性はAGAじゃない!女性の植毛は保険の適用はあるのか?

近年では女性が植毛の施術を受けるケースも増えています。女性についても男性と判断は同じで、植毛を受けたとしても保険が適用されることはありません。

 

女性の薄毛治療についても美容目的とされるのです。たしかに女性の場合は男性と異なり、社会的に「女性は髪の毛がたくさん生えているもの」といった印象で見られることになります。精神的に辛いとは思いますが、精神的な負担をくんでくれることはないのです。

 

女性に対する植毛も保険適用外である、ということは覚えておきましょう。

 

そもそも植毛クリニックは自由診療のクリニックである

総合病院であるとか皮膚科で植毛の手術が受けられるのであれば、まだ保険が適用になる可能性もあるかもしれません。しかし一般的な医療機関で植毛の施術が行われることはありません。

 

植毛の施術を行っているのは、植毛系のクリニックのみです。植毛に対応しているクリニックは自由診療専門のクリニックなのです。そういった面からも、植毛の施術に保険適用がない、ということが何となくでもわかるのではありませんか?

 

植毛に医療費控除は適用されるのか?

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間で、生計を同じくする家族の為に支払った医療費の金額によっては所得の控除が受けられる制度のことを指しています。

 

医療費控除に該当するものとしては、医療機関に支払った医療費や交通費、さらには薬局などで購入した市販の風邪薬などがあります。幅広く対応しているわけです。

 

ちなみに予防目的の医療費に関しては医療費控除にはならないので注意してください。さらに病院までマイカーで行った場合には交通費は発生しません。ガソリン代金や駐車料金も自費となります。

 

医療費控除を受けるためには、必ずレシートをとっておく必要があります。どれだけの医療費がかかったのかを証明できるようにしておかなければなりません。

 

医療費控除を受けるためには、「医療費−保険金」の額が10万円を超える必要があります。10万円未満となってしまった場合には、医療費控除の対象外となってしまうので注意してください。

 

一般的な植毛は医療費控除の対象とはならない

「一般的」としたのには理由があります。そもそも植毛を行う理由には様々なものがあります。

 

男性型脱毛症のために植毛を行った場合は医療費控除の対象外となります。男性型脱毛症の場合は、美容目的と判断されてしまうからです。びまん性脱毛症といった老化が関わっている薄毛についても同様です。

 

一方で事故や火傷などで頭部が損傷し髪の毛が生えてこなくなる、といったケースもあります。うつ病などの精神的な疾患で抜け毛が増えてしまったケースもあります。

 

そのような病気や怪我といったものが関わっている薄毛の改善のために植毛を受けるケースであれば医療費控除の対象となる可能性があるわけです。

 

医療費控除の判断は簡単なものではありません。適用される場合は植毛費用を考えると、かなり税金的にも優遇されることになります。100万円単位の費用が植毛にはかかってくるので、自分では判断せずに税務署の判断を仰ぎましょう。

 

また植毛クリニックに相談するもの一つの方法です。自身の薄毛の症状で植毛を受ける場合には医療費控除の対象となるかアドバイスを貰いましょう。

 

内容 対象かどうか
男性型脱毛症(AGA) 対象外
びまん性脱毛症 対象外
けがや病気がかかわっている場合 対象になることもある

 

植毛以外の薄毛の治療は保険適用となるのか?

基本的に植毛手術に保険適用はありません。

 

植毛以外の薄毛治療というと、プロペシアなどの発毛剤をイメージするのではありませんか?発毛剤は医療機関でなければ処方できないので、保険適用があると思っている方も多いでしょう。しかし保険適用はありません。

 

保険の適用は治療方法というよりは治療の目的が重視されるのです。植毛であったとしても発毛剤治療であったとしても目的は一緒です。美容目的と判断されてしまいます。

 

プロペシアについては、皮膚科などの一般の医療機関でも処方しています。「一般医療機関であれば保険が適用になるのでは?」と思っている方もいるでしょう。

 

しかしAGA専門クリニック以外の一般的な医療機関で処方してもらったとしても保険の適用はありません。残念ながら薄毛治療については、ほとんどのケースで保険が適用されないわけです。

 

かつらや増毛も保険適用はないのか?

AGAをカバーするために利用されるかつらや増毛についても保険適用はありません。全額自己負担となってしまうのです。

 

かつらや増毛についても高額な費用が発生します。トータルで数百万円などの費用が発生してしまう可能性もあるのです。植毛以外の方法を選択したとしても高額な費用がかかってくる、ということは理解しておかなければなりません。

 

ウェーブのかかった女性用のウィッグ 全頭タイプのかつら

そこで注目したいのが医療用のウィッグです。がん患者の方などは、抗癌剤の副作用として髪の毛が抜けるような症状に悩まされることがあります。病気の治療の代償として髪の毛が抜けるので保険の適用があるのでは、と思っている方も少なくありません。

 

しかし現状では医療用のウィッグにつういても保険適用は認められていないのです。業界団体などが保険適用化の運動を行っていますが、まだ見通しが立っていません。一方で欧州の国々の中には健康保険の対象とされている例もあり、今後適用の道が開くかもしれません。。

 

医療用ウィッグについては保険ではありませんが、公的な補助金を受ける方法もあります。すべての自治体が対応しているわけではないのですが、一部の自治体にて医療用ウィッグにかかる費用の一部を補助してくれるところもあるのです。

 

ただし補助されたとしても10,000円程度としているところが多いので(神奈川県横浜市のケース)、それほど大きな額を補助してくれるわけではありません。

 

円形脱毛症のための植毛は保険適用がされる場合もある

著しく進行してしまった円形脱毛症 虎刈りのような状態になっている

髪の毛が円形に脱毛し、進行すると全身の毛が抜けるのが円形脱毛症です。

 

免疫システムがおかしくなり、髪の毛などの毛を異物だと判断して攻撃することでごっそりと脱毛してしまう病気なのです。

 

円形脱毛症は自己免疫疾患と呼ばれる病気なので、その治療には保険が適用されます。髪の毛が生えやすくなるように血行促進系の機能を持っている薬剤を処方されることもありますが、その費用にはもちろん保険が適用されます。

 

円形脱毛症が発症している最中は、植毛の手術は受けられません。植毛をしたとしても、再び毛が攻撃を受けて脱毛をしてしまうからです。植毛するのは円形脱毛症が治ってからです。

 

円形脱毛症が治っても髪の毛が完全に元通りになるとは限りません。免疫の攻撃を激しく受けた髪の毛の細胞が機能を停止してしまうこともあるのです。そういった場合に行われる植毛に関しては保険適用がされるケースが有るわけです。

 

ただし絶対的に適用されるわけではありません。植毛クリニックはもちろんですが、自治体などに相談をした上で、植毛するか判断しましょう。

 

植毛の費用が負担なら医療ローンを利用しよう

分割払いで支払えば負担が軽くなることもあります。植毛クリニックによっては医療ローンを用意しているケースもあるので検討してみてもよいでしょう。

 

植毛は1度に100万円から200万円といった高額の費用が発生するからこそ、多くの方に避けられているのも事実です。しかし医療ローンであれば、分割払いとなるので、一度におおきな負担がかかってくることはありません。

 

注意してほしいのは金利手数料です。ローンなので利用すると金利手数料が発生してしまいます。より大きな費用を支払うことになるので、かえって負担になる可能性もあります。

 

医療ローンの種類によっても金利手数料は異なっているので事前に確認した上で利用するかを判断しましょう。

 

医療ローンの金利の目安としては、実質年率で5%から10%程となっています。クレジットカードや消費者金融などの金利よりは有利です。また返済については、資金に余裕があれば繰り上げ返済するのもおすすめです。

 

繰り上げ返済すれば、それだけ利息金の支払い額を抑えることにつながりますよ。

 

※医療ローンにも種類があり、銀行系の医療ローンのほうが金利は有利です。信販業者の医療ローンは金利が高く設定されているので注意してください。

 

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